こち亀シリーズ第9弾です。
これまで、佐賀県が誇る伝統工芸「諸富家具(リンク)」「有田焼(リンク)」や、西九州新幹線開業に沸く武雄市の「武雄温泉(リンク)」「西川登竹細工(リンク)」「弓野人形(リンク)」、月の引力が見える町「佐賀県太良町(リンク)」、シュガーロードの銘菓「小城羊羹(リンク)」を取り上げました。
今回のテーマは「シュガーロード」。長崎 – 小倉間に約 228km 続く長崎街道の愛称です。
小城羊羹の歴史とシュガーロード|オギナビ|小城市観光協会 より
鎖国中の江戸時代。長崎の出島に荷揚げされた砂糖はシュガーロードを通って京や江戸へと運ばれていき、例えば佐賀の沿道には「丸ぼうろ」「さが錦」「小城羊羹」といった銘菓が生まれました。故にシュガーロードは、日本に砂糖文化が根付くこととなった趣深い街道であり、2020年には日本遺産として認定されています。(参考:砂糖文化を広めた長崎街道|日本遺産ポータルサイト)
丸ぼうろ、小城羊羹、さが錦
約400年の歴史を有するシュガーロード。長い年月をかけて積み重ねた歴史には、どの様な価値があるのか?関連するこち亀を参考にしながら考えてみましょう。
歴史がブランド価値を醸成する
- こち亀概要(コミック第81巻「両津家130年の味⁉の巻」)
江戸時代に漬けられた梅干しの壷を実家の床下から発見した両津。一粒1万5千円の価値があることを知った両津は、「ビンテージ梅干し」としてマスコミに売り込む。日本全国から注文が来る程に盛況を見せるが、その後はお決まりのオチへと向かっていくのであった。
こち亀コミック第81巻 P136 より引用
一粒1万5千円の梅干し…!食べるのが恐れ多いですね。
120年も床下に眠っていたという事実から、「とても価値がありそうだな」と感じるのではないでしょうか。味はさておき、その歴史の重みが価値に反映されるということです。そして私達一般人にとっては購入できなくとも、子供に食べさせる日の丸弁当用に1万5千円の梅干しを購入する大富豪がいるかもしれません。「120年前の梅干し」という特別感が、自己肯定感を満たすことにも繋がるからです。
そう考えると、味や見た目とは別の軸である「歴史」にてブランド価値が醸成されていると言えそうですね。顧客に特別感を提供して高価格帯の製品サービスを提供する場合には、とても参考になる事例です。
シュガーロードは400年の歴史溢れる佐賀県の「地域ブランド」である
冒頭に記載のとおり、シュガーロードには400年の歴史があり、日本の銘菓誕生に多大な影響を及ぼした街道です。関連する銘菓が「地域ブランド」として名を馳せるにあたり、十分な事実でしょう。
最後に、シュガーロードに関連する佐賀県の銘菓3選を紹介します。
①丸ぼうろ ~安心感のある風貌~
村岡屋「丸ぼうろ」
まずは素朴な見た目が特徴的な「丸ぼうろ」。始まりは1600年代。長崎在住のオランダ人から、佐賀藩御用菓子司の横尾市郎右衛門が製法を習ったことが発祥とされています。(参考:丸ぼうろとは|木村製菓株式会社)
丸い風貌により、食べる前からどこか「安心感」「優しさ」といった雰囲気を提供してくれます。そしてその食感やお味も、期待どおりの優しさで溢れるものでした!
佐賀県を代表する地域ブランドとして、安心して全国に対し誇ることができる逸品です。
村岡屋「丸ぼうろ」オンラインショップ:https://muraokaya.co.jp/marubouro/
②さが錦 ~優美な風合い~
村岡屋「さが錦」
「さが錦」は、伝統織物「佐賀錦」の気品溢れる風合いを味覚に訴える銘菓。バウムクーヘン風の美しい層をなす外観に魅了された後、口の中では甘みが広がります。そして、山芋が練り込まれた木地には小豆や栗が…!
職人によって丁寧に紡ぎあげられた「さが錦」は、お茶のお供に最適な銘菓でした。
村岡屋「さが錦」オンラインショップ:https://muraokaya.co.jp/saganishiki/index.html
③小城羊羹 ~佐賀の代表的銘菓~
桜月堂「こつぶたちようかん」
小城は桜の名所であることから、小城の羊羹は「櫻羊羹」から始まったとの説があります。そして昭和30年代、村岡安吉によって「小城羊羹」の名称が取り入れられ、現在まで発展してきました。商標「小城羊羹」は2007年に「地域団体商標」に登録され、名実ともに佐賀県を代表する地域ブランドとして君臨しています。表面が糖化した昔ながらの小城羊羹を頬張ると、シャリシャリッとした食感が癖になる素敵な甘美体験が…!食べたことのない方は、是非一度お試しください。
桜月堂オンラインショップ|小城万彩:https://www.ogi-kankou.com/netshop/18.html?view=SmartPhone
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